国際連盟の創設、国際政治学の誕生、外交の大衆化
一方、1000万人もの戦死者を出した史上最悪の戦争が終わった時、人々は平和を希求し、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出した。帝国主義の時代は終焉し、国家の生存競争の克服を目指した国際連盟の活動は、国家の利益を超えた国際社会の平和と繁栄という国際益の存在を認識させる契機となった。国際政治学が誕生するのもこの時代である。
戦間期の『危機の二十年』を書いたE・H・カーは、総力戦となった大戦によって、「戦争が職業軍人だけに関わる事態だとする考え方を捨てさせ、それに並行して国際政治は外交官にまかせておけばよいという考えをも消し去った」と指摘した。こうして外交は大衆化した。東大教授の横田喜三郎は、戦間期に学問として成立した国際政治を「多数の国家の共同の利益、世界全体の発達ということを目的とする……多数の国家が共同の利益と発達のために共同に努力する」(「国際政治」中山伊知郎他編『社会科学新辞典』)と定義した。
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