避難先は原発事故などなかったような世界
避難先に待っていたのは、放射性物質が降り注ぐことのない気持ちのいい青空ではなく、福島原発事故など対岸の火事、否、それどころか、まるで事故などなかったかのような世界だった。
2011年8月24日、福島県伊達市で国の除染モデル事業を視察する細野豪志原発事故担当相(当時=左から2人目)。当初、除染に積極的だった伊達市だが、その後、除染に消極的と方針転換した。
「編入した高校では、原発事故はまるで異国の出来事で、まだ心配しているのか、というような雰囲気を感じざるを得ない日々を送っていました。そんな状況で、周囲と仲良くなりたいなんて、思えるかどうか。誰にも、心を開けませんでした」
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