プレイングマネジャーが「無理ゲー」から脱出する方法

最後にご紹介したいのは、第9位の『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』。リクルート出身の経営者、中尾隆一郎さんが、「『プレイングマネジャー』を無理ゲーから助けたい」という想いから執筆した一冊です。

中尾隆一郎『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』(フォレスト出版)
中尾隆一郎『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』(フォレスト出版)

プレイングマネジャーは、どうすれば「無理ゲー」状態から抜け出せるのか――。

中尾さんの答えは、いまやっている業務を「やめる」「絞る」「見直す」こと。本書ではその前提のもと、「やめる」「絞る」「見直す」具体的な方法がまとめられています。

「やめる」では、やめるべき仕事として、以下の3つが挙げられます。

(1)定期的な1on1
上司の仕事を増やす、全体のコミュニケーションに時間がかかる、などといった弊害があるため。

(2)手間がかかる目標管理
多くの時間を取られるわりに、リターンが少ないため。

(3)会議の生産性を下げる7つのこと
会議の回数・時間・参加者を減らすことに加えて、次の7つの「やめる」を実行してみましょう。

・全員の腹落ち(コンセンサス・同意)が重要だという考え方
・資料やデータがないと決められないという考え方
・「今日決めないという選択肢もある」という考え方
・思いつきでメンバーに意見を求めること
・会議で資料を説明すること
・問題を解決すること
・「会議は必ずリアル会議でなければならない」という考え方

プレイングマネジャーを「無理ゲー」から救い出してくれる本書。「やめる・絞る・見直すなんて無理」と思った人にこそ読んでほしい一冊です。

今月も、アドラーから睡眠、マネジメントまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第7位だった『世界の一流は「休日」に何をしているのか』が第11位、2023年4月刊の『頭のいい人が話す前に考えていること』が第16位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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