致命率の高い重症の「B型急性肝炎」

もしもB型肝炎ウイルスに感染しても、成人における多くのケースでは免疫系が防御抗体を産生しウイルスを排除しますが、一部の症例では有毒な物質を解毒・排泄する肝臓の機能が失われる「急性肝不全」になったり、感染が持続して「慢性肝炎」になったりします。

特に昏睡にいたるような重症の急性肝不全(いわゆる劇症肝炎)は、非常に致命率が高い病気です。抗ウイルス薬の投与、血漿交換、血液透析などの内科的治療を行いますが、改善しないときは肝移植が検討されます。内科的治療は市中病院でもできますが、肝移植は大学病院でしかできません。

私が大学病院に勤務していたときにも、何例かの急性肝不全を診た経験があります。転院初日に昏睡に陥り、内科的治療にはまったく反応しなかったのに、外科に転科して肝移植を受け、退院日に歩いてあいさつに来てくださった20歳台の患者さんのことはよく覚えています。外科のすごさを思い知らされました。