「本当ならすぐにも内閣不信任案だが…」

石破政権は少数与党なので、野党が一致団結すれば内閣不信任を決議できる。だが、野党のほうもすぐに倒閣の動きを見せるほどの勢いがない。

先の世論調査では、野党第1党の立憲民主党の支持率は7%(前回と同じ)と低調。野党全体でも、国民民主党がわずか1ポイント前回から伸ばした以外は支持率が伸びていない。

立憲民主党の斎藤嘉隆参院国会対策委員長は17日の記者会見で、石破首相の商品券問題を批判しつつ、こう嘆いている。

「石破政権の支持率は下がってしかるべきだと思うが、立憲民主党の支持率が上がらないのは不思議なんですけどね。何でですか? 結構頑張っていると思うんですよ。こんなに評価されていないので、僕らも少し研究が必要だなと思う」

立憲民主党の幹部はこう話す。

「本当ならすぐにも、内閣不信任案ですよ。10万円の商品券をもらった議員は、裏金事件と同様に政治倫理審査会に出ろといいたい。しかしうちの党の支持率がこのていたらくでは、二の足を踏む意見が多いのも正直なところ。ただここまで炎上すれば国民民主党も維新も自民党と共同歩調をとることはないはず。4月から5月にかけてが、内閣不信任の勝負どころでしょう。夏の参院選よりも前に解散総選挙となるように追い詰めたい」

田村氏はこう話す。

「石破さんは総裁選5回目の挑戦で総裁の座を勝ち取った。演説、答弁も得意で説得力がある。これまでの長い付き合いから思うに、追い込まれた場合は退陣より解散総選挙で国民に信を問う道を選ぶんじゃないか」

解散総選挙モードに入ってきた永田町。「商品券解散」はあるだろうか。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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