「失われた30年」と人口減少が追い打ちに

2002年、西友は米ウォルマートと提携し、ディスカウントストアのビジネスモデルに参入した。エブリデイ・ロープライスの低価格戦略を重視した企業は多い。イオンや現セブン&アイをはじめとする大手小売企業は、自社で食品やアパレルのブランド(プライベート・ブランド)を開発した。ユニクロやニトリのように、海外で製品を生産してコストを抑え、デフレマインドにマッチした価格帯の商品を国内で供給する企業も増えた。

それに追い打ちをかけたのが、わが国の人口減少・少子高齢化の加速だ。わが国の流通小売業界で価格競争は激化した。“失われた30年”と呼ばれる景気停滞の中、消費者は1円でも安いものを買いもとめ“コスパ”に敏感になった。リーマンショック後、西友の親会社だったウォルマートは消費者の欲求の深掘りよりもコストカットを優先した。西友が生鮮食品や総菜物の品ぞろえを拡張して消費者の支持を増やすことは難しくなった。

西友を救う「トライアル」はどんな会社?

2021年、ウォルマートは保有していた西友株の大半を楽天や投資ファンドに売却した。さらに2023年、楽天も西友株を手放した。西友の組織内部では、過去の業績低迷という負の記憶、経営トップの交代などで士気が停滞したかもしれない。現在、自力での経営再建はかなり難しいとの見方は多い。