受験のプロも困惑した「開成の算数入試の大問2」

偏差値65以上の最難関校になると、すべての問題で「その場で考える力」が求められる。つまり、小手先のテクニックだけでは太刀打ちできない問題のオンパレードとなる。首都圏の男子最難関校といえば開成中だが、今年の開成中の算数入試では番狂わせの難問が出題された。大問2の思考力を問う問題だ。縦4マス・横9マスの長方形をルールに従って分割し、その分割方法ごとにポイントを算出するという問題で、受験生はできるだけ多い区切り方を考え、そのポイントが大きいほど高得点がもらえるという構成になっている。

ここで重要なのは方向性の見極めだ。「こうしたらどうだろう?」「ああしたらどうだろう?」といくつかのパターンを試行錯誤した上で、「よし、このやり方で行こう!」と決断し、解き進めていくのだが、中学受験のプロ家庭教師である私でさえも、「本当にこのやり方でいいのだろうか?」「もっと大きな数を出す方法があるのではないか?」と最後まで迷いが生じた。答えを出した後も、自信が持てず、なんともモヤモヤ感が残る問題だった。