ホンダ社長「残念だ」の本音と危機感

ホンダも日産も、事業規模を拡大してキャッシュフローを増やし、これから電動化やソフトウェア開発に投資する必要がある。経営統合がいったん破談になった後、ホンダの三部敏宏社長が「残念だ」と述べたのは、今回の統合がホンダの競争力強化にそれなりの効果をもたらすことが期待されたからだろう。

恐らく、違う交渉の仕方があったはずだが、実際の交渉は決裂した。近年、ホンダの提携戦略は難航してきた。EVシフト加速を狙ったGMとの協業は失敗した。四輪車事業も伸び悩み気味だ。ホンダ経営陣にとって、自力で脱エンジン、“ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)”開発に対応するのは難しいとの危機感があるのだろう。その危機感もあり、ホンダは日産との経営統合を急いだとみられる。

日産の経営陣には、リーマンショック後に入社した人物が多い。日産の本当のポテンシャルを理解し、厳しい経営環境の中何をなすべきかを判断するには相応の時間がかかる。その時間的余裕が十分にあったかは、必ずしも明確ではないだろう。