暴力だけではない、さまざまなDV

DVというと、殴る、蹴るなどの暴力を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。言葉による暴力はもちろん、相手の大事なものを壊したり、日常的に軽視をしたりすることもDVの一種です。また、「子どもを使った暴力」もあります。「ちょっとママを叩いてきなさい」などと言って、子どもに暴力を振るわせる行為です。

子どもの人形を取り上げる親と、膝を抱えて顔をうずめる子ども
写真=iStock.com/Discha-AS
※写真はイメージです

親からきょうだいへの暴言や暴力も同じように大きなストレスとなります。たとえば、「お兄ちゃんがお父さんに殴られている」「お姉ちゃんがお母さんに『おまえなんて産まなければよかった』と言われているのを見た」といった状況です。また、親から祖父母に対して、あるいは祖父母から親に対してもそうです。親が同居しているおばあちゃんに「早くくたばればいいのに」と暴言を吐くなどもそれに該当します。

きょうだい間の差別もマルトリに

きょうだい間で極端な差別をすることも心理的マルトリにあたります。長男や長女を優遇したり、末っ子だけを特別にかわいがったりと、生まれた順番や性別によって差別をしたり、親との相性で差別をしたりするケースは少なくありません。親も人間ですから、つい、扱いやすい子ばかりに目をかけたり、性格的にぶつかりやすい子には冷たくしてしまったりすることもあるでしょう。子どもに対して完璧に平等に接しなさいなどと言うことはできません。ただ、過度な差別は子どものこころと脳を傷つけるということを意識しておく必要があります。