受験会場に「市販の参考書」は非効率
ここまでは受験で必須の持ち物についてご紹介をしました。詳しくは、図表1でご確認ください。続いては、世間ではあまり知られていないけど、筆者視点であったら便利な「東大生おすすめグッズ」についても紹介します。
1つ目は、「休み時間の勉強道具」です。ただ、教科書やノートを持っていくといい、という話ではなく、具体的に30分間、1時間といった休み時間の中で、何をするか、何を見るか、まで決めておくという話です。
図表2は、筆者が東大受験で作成していた世界史の「苦手分野まとめ」の一部です。実際に受験会場で休み時間を過ごすことを考えると、教科書やノートを全て見返すのは不可能です。そのため、30分間や1時間といった短い休み時間でも、効果的に復習できる勉強道具を事前に作っておくことがおすすめです。
筆者は昨年、大学受験指導の一環として、実際に受験生と一緒に共通テストを受験しましたが、その際には、「自作の間違えノートを持ち込んで復習する受験生」や「苦手な用語が書かれた付箋紙を見返す受験生」などがいました。
「教科書」や「1問1答」、「単語帳」などの市販の参考書は、内容が膨大すぎて一から復習しようと思うとオーバーワークになりがちです。しかし、自作の間違えノートや苦手な分野集などは自分の弱点(復習するべきポイント)がまとまっているため、短時間でも効率的に復習ができます。そのため、賢い受験生ほど、短時間で勉強できる道具を、試験会場に持っていくのです。
「貼らないカイロ」が絶対いい
受験生のいる親の皆さんは、ただ闇雲に「勉強道具は持ったの?」と聞くのではなく、「休み時間には何を勉強する予定なの?」などと、受験当日のスケジュールや勉強計画の助けになるような声かけをしてあげると、「いい準備」ができるでしょう。
2つ目はカイロです。「試験会場が寒いかもしれないからカイロを」という発想はすぐに湧いてくると思いますが、貼るタイプと貼らないタイプ、どちらを持っていくといいのでしょうか。ここまで考えられている受験生や親御さんは少ないのではないかと思います。
実はこれ、答えが明確で、「貼らないカイロ」の方がいいのです。確かに冷えやすい手足には、貼るタイプが効果的なこともあるのですが、試験会場の寒暖は当日現地に行ってみないとわかりません。その場で簡単に調節できる道具の方が便利です。
貼らないカイロであれば、現地に行ってから「寒ければ、靴や服の中に入れておく」「暖かければ、カバンの中にしまっておく」というように、簡単に調整ができます。
筆者も受験生の頃は、どちらを持っていくべきかまで考えが及んでいませんでしたが、両親が「貼らないカイロがいいらしいよ」とおすすめしてくれたのでとても助かりました。全身にカイロを貼り付けヒートテックで守りを固めたのに、いざ会場に着いてみたら常夏のような暑さだった、となれば大変です。受験会場のお手洗いはとても混雑しますから、簡単に着替えはできない、という点で防寒具も用意しておくといいでしょう。