トヨタ社員から「跡継ぎ」へ

旭鉄工の3代目社長に就任したのは、たまたま結婚相手が2代目社長(現会長)の長女で、跡継ぎを必要としていたからだった。妻の実家に婿養子として入ったものの、跡継ぎになるのは全く気乗りしていなかった。

写真提供=旭鉄工
2015年3月、「Rallye de Paris」に東京大学のラリーチームで参加。運転は木村社長、助手席には妻・美里さんが座る

「いずれは入社するのだろうと思っていましたが、結婚してからしばらくの間はほとんど意識していませんでした。しかし、段々とそれが現実に近づいてくると、トヨタの仕事が本当に楽しかったこともあって、やりたくないと思うようになったのです。経営の経験もなかったし、本当にできるのかという不安もありました」

なんだかんだと理由をつけて引き延ばしていたが、いよいよ旭鉄工への入社に向けた動きが進むようになる。2010年8月にトヨタ社内での異動があり、生産調査部に配属となった。生産調査部は、生産効率をあげて無駄を取り除く「トヨタ生産方式」に基づいたカイゼン活動を社内外で推進していく役割を担っており、カイゼンの総本山ともいえるような部署だった。