愛子内親王の儀式参列はつづく
その後も、愛子内親王は百合子妃の薨去にともなう一連の儀式に参列している。
順に見ていくと、11月27日には三笠宮邸での「斂葬後一日権舎祭の儀」と豊島岡墓地での「斂葬後一日墓所祭の儀」、12月4日には三笠宮邸での「権舎二十日祭の儀」と豊島岡墓地での「墓所二十日祭の儀」、同月14日には同じく両所での「三十日祭の儀」、年が明けて2025年1月3日にはやはり両所での「五十日祭の儀」に参列している。
これで終わったわけではなく、今後「百日祭の儀」や「一周年祭の儀」にも参列するはずである。その間、愛子内親王には各種の公務があるし、日本赤十字社常勤嘱託職員としての仕事もある。
これが皇嗣の秋篠宮になると、同妃や佳子内親王とともに、正寝移柩の儀、お通夜、霊代安置の儀、斂葬の儀に参列している。ただし、斂葬後一日墓所祭には参列しているものの、三笠宮邸での斂葬後一日権舎祭は佳子内親王だけで、権舎二十日祭の儀以降も佳子内親王だけが参列している。
他に、天皇皇后をはじめ各皇族は、一年に一度、神武天皇と昭和天皇の「皇霊殿の儀」や孝明天皇から大正天皇までの「例祭」、香淳皇后の「例祭」に参列する。
さらに昨年だと、6月8日には桂宮「宜仁親王十年式年祭」、7月24日には「後宇多天皇七百年式年祭」、8月9日には「平城天皇千二百年式年祭」、10月1日には「懿德天皇二千五百年式年祭」に臨んでいる。
国費でまかなわれる百合子妃の葬儀費用
ここまで詳しく見てきたのは、代々の天皇や皇族を追悼するための行事がいかに多いかを確認するためである。
果たして皇族以外に、これだけ頻繁にそうした儀礼に参列している人間はいるものなのだろうか。儀式はこれだけではない。国事行為として規定された行事や皇室祭祀などがある。
百合子妃の葬儀費用は3億2500万円あまりで、すべて国費でまかなわれている。これだけ、頻繁な儀式があれば、ただでさえ多忙である天皇皇后や各皇族への負担も大きい。84歳になった常陸宮華子妃などは疲労のため斂葬後一日墓所祭の儀の参列は取りやめている。
宮内庁の黒田武一郎次長は、一連の儀式の簡略化について「何かもし、いろいろと課題が生じることがありましたら、それはそれで検討すべきことはあるかもしれませんけど、現時点では決められた日程で対応していきたい」と、それを否定した(TBSニュース、2024年11月27日)。