元大阪市長・大阪府知事で弁護士の橋下徹さんであれば、ビジネスパーソンの「お悩み」にどう応えるか。連載「橋下徹のビジネスリーダー問題解決ゼミナール」。今回のお題は「リーダーの判断基準」です──。

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2025年2月14日号)の掲載記事を再編集したものです。

元大阪市長 橋下徹氏
撮影=的野弘路
1969年生まれ。大阪府立北野高校、早稲田大学政治経済学部卒業。弁護士。2008年から大阪府知事、大阪市長として府市政の改革に尽力。15年12月、政界引退。最近の著作に『政権変容論』(講談社)、『情報強者のイロハ』(徳間書店)などがある。

Question

目指すべき理念と、生身の人間の現実をどうバランスさせるか

前回、橋下さんはロシアによるウクライナ侵攻を例に、一般国民の生活や生命といった「人間の実存」を離れた理念先行の抽象的な思考が時に危険であることを指摘されました。一方で、リーダーには行くべき道を指し示す「理念」が必要です。両者のバランスをどう考えるべきでしょうか。