「庶民」とはかけ離れた膨大な資産

両レポートが田中を追いつめたのだが、このレポートによって浮かびあがる田中像は二つの影をもっていることがわかった。

ひとつは庶民宰相というが、その私的財産は庶民どころか、膨大な不動産や大量の株を所有していて、およそ庶民感覚からかけ離れた政治家であるということだった。しかもその資産運用法はもっとも単純なかたちでの錬金術で、要は土地転がしによって蓄財していたことが明らかになった。