「家が買えない」はずが「家が空いている」
もうすこし詳しく見ていきましょう。個人住宅空き家はどこに多いのでしょうか。
個人住宅空き家率ワースト5を掲げたのが【図表5】です。首位は13.6%の鹿児島県。以降、高知県、徳島県、愛媛県、和歌山県が並びます。香川県を除く四国各県、和歌山県で個人住宅空き家が多いことがわかります。
さらにこれを実数カウントするとここでも大都市圏の都道府県が並びます。【図表6】
大阪府は個人住宅空き家の1位でその数は22万6900戸にもおよんでいます。以下東京都の21万4200戸、兵庫県、北海道、千葉県といったラインナップになります。
東京や大阪は不動産価格が急激に上昇し、もうこれらの地域では家は買えないのではないかとまで言われているいっぽうで、実は首都圏や関西圏といった大都市圏こそが空き家天国なのです。
たくさんの住宅があるので割合としては見落とされがちなのですが、実態は大都市圏において空き家問題はもっと論じられなければならない状況にあるのです。