人口が増えている沖縄は空き家が少ない
ワースト5に名を連ねたのが、徳島県、和歌山県、鹿児島県、山梨県、高知県で、第6位の長野県までいずれも20%を超えています。
ただし、これには多少のバイアスがかかっています。山梨県と長野県は首都圏などに暮らす人たちの別荘(二次的空き家)が多数建設されているからです。空き家数から別荘を除くと、山梨県は16.7%、長野県は15.0%に数値は下がります。
ベスト5を見てみましょう。注目すべきは、2位の沖縄県9.4%です。沖縄県は、東京都と共に人口が増加しているたった2自治体の1つです。
沖縄県は2023年の都道府県別出生率ランキングでも1.60と全国首位。人口構成は若年層が多く、また観光需要もあって島外から働きに来る人も多く、空き家が少ないのです。
空き家数ワースト10位は大都市圏
こうして見ると、空き家問題はやはり地方の問題だと考えがちですが、実態はまったく異なります。
東京都の空き家率は10.9%と全国で4番目に少ないのですが、都内には数多くの住宅があります。たったの10.9%であっても実数でカウントすれば何と89万6500戸と、全国でダントツなのです。【図表4】
空き家数の実数ワーストランキングでは他に大阪府や神奈川県といった、多くの人口を抱えた自治体名が並びます。空き家問題は地方の問題であるばかりではなく、実は多くの都会人の住む地域においてもごく身近な問題なのです。