④異常気象

猛暑だった2024年夏。栃木県佐野市では7月29日に最高気温41.0℃と今年最高を観測。過去最高記録まで0.1℃に迫った(41℃に達するのは全国で6例目)。

『プレジデントFamily2025冬号』
『プレジデントFamily2025冬号』

7月の国内の月平均気温は統計開始の1898年以降で最も高くなった。8月以降も暑さは継続し、福岡県太宰府市では猛暑日(1日の最高気温が35℃以上)が連続40日と観測史上国内最長に。

次々と発生する積乱雲が列をなし、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水域「線状降水帯」が東北地方など全国にたびたび発生。河川の氾濫や土砂災害の危険性を高めた。都市部でも、局地的大雨「ゲリラ豪雨」の発生頻度が高まり被害が相次いだ。

「異常気象に関連して、地球温暖化、温室効果ガス排出量ゼロ化、太陽光など再生可能エネルギーの利用拡大といった出題もありそうです」(繁田さん)

「気象や気候に絡む出題は社会科だけではなく、理科の問題として出ることもあります。その中には知識を応用して考える問題も増えていますよ」(住田さん)

「『線状降水帯』と漢字でちゃんと書けますか?」(後藤さん)

●出題されそうな関連ポイント

【内陸部や盆地】

水は「温まりにくく冷めにくい」という特徴があるため、海に囲まれた沖縄など海辺や水辺では昼夜の温度の差が小さくなる。一方、「水の少ない内陸部や盆地などでは、昼夜の温度差が大きくなるものの、夏は日中の太陽熱が海などに逃げないために異常なほどの高温となることがあります」(後藤さん)。


【エルニーニョ現象】

太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象で、数年に1度、春から冬にかけて発生する(逆に、海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象)。「2つの現象は、日本を含め世界の異常な気候の要因となっています」(繁田さん)


【熱中症特別警戒アラート】

2024年度から気温・湿度・輻射熱により算出される暑さ指数(WBGT)をもとに発出されるようになった熱中症特別警戒アラート。全国の58の予報区などを単位としてWBGTが35(予測値)に達すると予想され、熱中症が生じる恐れがある場合に環境省や気象庁から発表される。