いつの時代も家族を狂わせる遺産トラブル

まずひとつ目は、遺産相続のタイミングについてです。若い頃は偉大だった王が、年老いて力を失ったとき、自らの存在価値を保つうえで、遺産はひとつの手段でもあります。実際、財産を譲った後の親子関係が冷たくなったり、子どもたちが親を顧みなくなったりするのは、現実にもよくあることです。

日本でも、会社を譲った親と子が対立し、最終的には会社が崩壊してしまう例を耳にすることがあります。このような事例に照らし合わせても、遺産管理の慎重さは大切だと痛感させられます。

私は個人的には、若い世代にお金を少しずつ渡して、社会全体でのお金の循環を促進するのは良いことだと思っています。ただ、リア王のようにすべての財産を一度に渡すと、不安な老後を迎えるリスクもある。一風変わったシェイクスピアの読み解き方ともいえますが、私たちにひとつの指針を与えてくれます。