兄弟それぞれに立場と言い分がある
次男の呉夫は、両親のことは守に任せっぱなしで、「便りのないのはよい便り」とうそぶき、めったに帰省しませんでした。かたや守は、法要やお墓の管理、親戚付き合い、近所付き合い、地域の祭りのお手伝い、消防団など、さまざまな務めを果たしてきました。金銭的には平等な相続でも、それ以外の部分は必ずしも平等とは限りません。
お墓や仏壇などを守る「祭祀の承継」まで含めれば、必ずしも金銭で均等に配分することが平等とはいえないように思うのですが、法律では、祭祀の承継と遺産の承継を完全に分けて捉えています。祭祀を承継する人間に配慮して相続分を決めるという規定はありません。
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