日本人の船員数は20年間で5分の1に減少

前述の通り、「遠洋マグロ漁業=長期間にわたって過酷な労働現場で奴隷のように働かされる代わりに大金を得られる職」という都市伝説はまことしやかに流布されている。

近年も人気アドベンチャーゲームの実写ドラマや、ドラマ化された人気マンガなどにおいて、借金返済にあえぐ登場人物に向かって「マグロ漁船に乗って金を返せ」といったセリフが吐かれるシーンが登場。定番として悪気なく使われがちな言い回しだが、職業に対するイメージダウンにつながっているのは確かだ。

そういったフィクションや風説の影響もあり、遠洋マグロ漁師は減少の一途をたどっている。2024年現在、日本人の船員数はおよそ820人。20年間でなんと5分の1に激減した。半年以上の航海には、船長や漁労長をはじめ総勢二十数人の乗組員が必要なため、インドネシア人など外国人の船員を確保しながら操業しているのが現状だ。船員不足などにより先行きが見えず、中には漁船を手放すオーナー(船主)もいるという。