女優の迫力に負け続ける
8位 亀梨和也
女優の貫禄に連敗
気の毒なのは、NHKの男女逆転「大奥」が好評を博し、その興奮冷めやらぬ時期に放送したのがフジテレビ「大奥」だったこと。本来ならば「大奥といえばフジテレビ」、本家であったはずが迫力不足で霞んでしまった。冨永愛の徳川吉宗(NHK版)が痺れるほどかっこいい将軍だったせいか、残念大奥になってしまったわけだ。
ここのところWOWOWのドラマ主演作が続き、2022年の「正体」では逃亡犯役を熱演していたのだが、笑わない役が増えたのは損だと思う。
挽回作品としては、「Destiny」(テレ朝)。悲劇のきっかけとなる事件が起こる前、学生時代に主役の石原さとみとイチャコラする場面はよかったのだが。その後は、貫禄のある石原が牽引したため、また霞んじゃってね。迫力や貫禄で女優陣に負け続ける宿命か。
俳優というより脚本が悪い
7位 橋本環奈
偽善の家訓に呪われたギャル
NHK朝ドラ「おむずび」のヒロイン・米田結は高校生活初日に少年が落とした帽子を拾うために制服姿で海に飛び込んだり(無謀)、憧れの先輩のお誘いを説明もせずにドタキャンして(無礼)栄養失調ギャルを助けたり、栄養管理されている高校球児に毎日弁当を作ったり(自己満足)。
困っている人をほうっておけない性分を米田家の呪いと雑にまとめているが、ほうっておいてほしい人やNOと言えない人の気持ちはあまり考えない。余計なお世話がすぎるので、偽善の文字が浮かぶ。結果的に、橋本環奈の自由度を奪い、感情表現にも表情にも奥行きが出ず、すべてがキョトン顔で終わっている。
名優・北村有起哉や名手・仲里依紗でさえも「キャラ崩壊」に陥れるとは……「おむすび」のすさまじい破壊力。
6位 杉野遥亮
成長痛
主演級に出世しているが、はたして彼はうまいのか?
山岳医療に登山ロケ、真摯に作っていることが伝わる「マウンテンドクター」(関西テレビ・フジ系)は主演作だったが、うまいか下手か判断がつかぬ。その後、反町隆史と組んで「オクラ」(フジ)に出演したものの、バディもろとも深く沈んでしまった。
黒木華と組んで、冴えない弟役を演じた「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Video)や、小学生を演じた「直ちゃんは小学三年生」(テレ東)は適役でよかったんだけどな。
未熟の妙技をもう少し重ねてほしかったのだが、急激に成長を促されて成長痛を起こしている感。