「うざいおばちゃん」役はお嫌いでしたか
5位 篠原涼子
自我の断捨離
バカリズムと組んで、小説を書けなくなったミステリー作家役を演じたのが「イップス」(フジ)。設定は面白いのだが、篠原がはりきって事件に興味をもてばもつほど、好奇心で首を突っ込めば突っ込むほど、興味を失ってしまった。見事に反比例の曲線を描く。
図太さ炸裂という役どころは篠原の十八番だし、説明ゼリフに難があるわけでもない。コメディエンヌの素質は十分なはずだが、何かが過剰な気もする。自我?
「うざいおばちゃん」という、俳優としてはうまみのある役どころを、残念ながら掴み損ねている。
4位 田中みな実
外連味満タンのギャグ悪女のツケ
奇天烈すぎて失笑を誘う悪女役でのしあがってきた結果、普通の生活に戻れなくなっている、そんな印象がある。みな実が出てくると、無意識に構えるようになってしまった。
「Destiny」ではヒロインの大学時代の友人として登場したものの、初回で交通事故死という衝撃の展開。衝撃の展開のはずだが、みな実がなんかやらかすんだろうなと構えていたので、衝撃ではなかった。
逆に、何も起こさず、人としてまっとうな役を演じると、まあ目立たない。「ギークス」(フジ)では、滝沢カレンと仲良く揃って「変人詐欺」。ちっとも変人じゃない。
「あなたがしてくれなくても」(フジ)の仕事中毒編集者でサレ妻の役は、頭頂部から金属音が聴こえてくるようなギスギス感を醸し出して好演だったんだけどな。
番外編 2024ドラマワースト10 PART2
5位 「龍が如く」(Amazon Prime Video)時の経過や場面転換わかりにくく、暗い
4位 「ギークス」(フジ)真面目で優秀な公務員を変人扱いするという致命傷
3位 「9ボーダー」(TBS)ボーダー感ゼロ、崖っぷち感ゼロ、心のざらつきゼロ
2位 「アイのない恋人たち」(ABCテレビ・テレ朝系)アンガーマネジメントが必要な案件
1位 「おむすび」(NHK)キャラ・セリフ・展開に魅力なし
特筆すべきは「龍が如く」かな。
なんだろう、あれ。役者はいいのに、とにかく全体的に暗くて、場面転換も突飛な気がするのよ。「ええと、今はいつ?」「ここはどこ?」と観ている側を混乱させる、なかなかの問題作だ。配信系でもワーストにエントリー。
そんなこんなで、吐き出してスッキリしたところでランキングへ戻ろう。