目次を見て「これだ」と感じたら買う

「水平読書」用の本は、どのように選んだらいいのか? 次にそのコツについて解説する。可能であれば、図書館や大きな書店に出かけて、まずはリアルの本を手に取ろう。本選びのコツがわかってくれば、いきなりネット書店で買ってもいい。しかし、まだ慣れないときは、目次を最初から最後まで目を通すようにしたい。

目次を確認すれば、どんな内容を知りたいか、知るべきか、手がかりを見つけられるはずだ。テーマに沿った内容が書かれている箇所を見つけたら、その周辺を1~2ページぐらい読む。

大きな書店であれば、同一テーマの本が近くに並んでいるはず。何冊か手に取って「目次読み」を繰り返すことで、どんな本を買えばいいかは、だいたい見当がつく。

ただし、あまり読み込むのはお勧めしない。なぜなら時間をかけて立ち読みしてしまうと、「わかった気になる」ことが多いからだ。「わかった気になる」と、その本を買う意欲が落ちる。最悪の場合、4~5冊立ち読みをしてしまって、「だいたいわかった」と結論づけてしまうのだ。

こういった心理効果を「ダニング=クルーガー効果」と呼ぶ。知識がゼロだと自信もゼロだが、知識が少し身に付くと、いきなり自信過剰になる。そういった現象だ。本物のプロフェッショナルは謙虚だが、少しだけ学んだことがある人は意外と自信満々になるものだ。ダニング=クルーガー効果を避けるためにも「わかった気になる」読み方はやめよう。「この本には目当てのテーマが書かれていそうだ」そう感じたら、迷わず買うのだ。

書店で本を読んでいる女性
写真=iStock.com/Wiphop Sathawirawong
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「目次」を読んでもわからなければ、買わない

ちなみに「目次」を読んでも中身がわからないような本はお勧めしない。目次はランドマークだ。迷ったときの目安、道しるべになるべき存在だ。それなのに、その役割を果たしていない、わかりづらい目次の本は扱いづらい。

「水平読書」するのは一回だけではない。必ず何度も読むことになる。道に迷わないためのランドマークがない本を選ぶと、読むたびに道に迷う。どんなに有名な著者が書いた本でも「水平読書」には向いていないと判断しよう。

いきなり本を10冊も買うのは難しいかもしれない。それに、そんなに一度に同一テーマの本が手に入る大型書店も多くはないだろう。だったら最初は3~4冊だけ買おう。3~4冊買って、本を読む前にすべての「目次」をチェックする。

● ファシリテーターの心得
● ファシリテーターのキラーフレーズ
● ファシリテーションの準備
● ファシリテーションのための情報収集
● アジェンダの作り方
● 会議中の雰囲気づくり
● 合意形成の仕方……

どの本の目次をチェックしても、ファシリテーションがテーマなら、このような共通するトピックが見つかるはずだ。体系的に理解するためにも、枝葉のようなテクニックが書かれてあるトピックも意識してチェックしよう。