解剖が毎日続くとラーメンが神経に見えてくる
【私 明子さん】医学部ならではの体験といえば「解剖」でしょうか。2年生の後半くらいから始まるのですが、解剖が始まると、ぐんと週の予定がハードになります。ご献体を解剖する実習は、フル出席がマストなので。
【国 太郎くん】僕は今2年生で、後期から解剖実習が始まるのですが、それが結構スケジュール的にきついという話を先輩からも聞きました。
【私 明子さん】大学にもよると思うけど、偶数学年の2、4、6年生の実習は特にハードかも。
【国 太郎くん】うちは週3回、午前から夕方6時くらいまでが解剖実習の予定。その後部活。
【国 瑠美さん】うちは解剖の授業がスタートすると、全授業が解剖になります。その時期は、解剖しかしていないから、頭の中が解剖でいっぱいになる。お昼ご飯のお弁当も、友達と解剖で出てきた内臓とかの話をしながら食べたり……。「私の班のご献体は血管が特殊だった」「うちの班のご献体は教科書通りじゃなかったな」という話とか。「こういう状態だったから、がんで亡くなられたのかな」とか、死因について話し合ったり。
実習後にメンバーとしゃぶしゃぶを食べに行ったとき、特別薄い肉があったので、「これ、小胸筋に似てない? という会話になり、それで笑いあったり。それって医学部以外の人からすると、ちょっと異様な光景なのかも……? ちなみに小胸筋というのは、大胸筋の下にある、薄くて面積の狭い肉のことです。
【私 茂雄くん】わかる。フライドチキンを食べるとき、いつも「これが血管で、これが神経で……」みたいな確認はしちゃう。
【国 瑠美さん】ラーメンを食べているときに、ラーメンの麺が神経に見えてきたことも……。
(以下、後編 医学部入学祝は大学と駅の間にある「タワマン」…国立と私立では違う医大生が普通に乗っている“外車格付け”へ続く)