ホールの周辺に数台のパトカー

矢沢永吉を信じる者たちが心のタガを外して集う現場。それも、今回私が潜入したのはごていねいにも山梨県民文化ホールでのコンサートだ。何がごていねいなんだかわからないが。

私は天皇が死んだ時も戦争が始まった時も、家の中で消しゴムを彫っていた人間である。3日や4日、一歩も外へ出ないことが珍しくない人間である。そんな私が「あずさ23号」なんて電車に乗って山梨へ行くということは、毎日電車に乗ることが当たり前の生活をしている人には考え及ばないほどの大事である。

私自身、一生のうちで「あずさ○号」と名乗る電車に乗ることなどよもやあるまい、とさえ思っていた。しかし、「山梨県民文化ホール・矢沢永吉コンサート」は、そんな私をも駆りたてる何かに満ちていた。そこには、矢沢と矢沢を信じる人々が私を待っているはずだ。