SDVによる社内エンターテインメントの向上は眉唾もの

さらに、SDVによる車内エンターテインメントの充実という話もあるが、車の中でしか使えない装備やアプリにお金を払う人がどれほどいるだろうか。

高性能なタブレットなどを持ち込めば良いだけの話ではないのか。タブレットなら車以外の場所でも楽しめるのだ。

自動運転が進めば、運転に集中しなくて良くなるから基本的に家の中と同じ、すなわちタブレットで済むことがさらに多くなるはずだ。

車にはタブレットを置く台と高音質のアンプとスピーカーさえあれば良いのではないだろうか。エンタメ領域でも自動車会社として新たな収益源になるとは考えにくいのだ。

自律輸送のイメージ画像
写真=iStock.com/carloscastilla
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ベーシックカーにまでDCM標準搭載はトヨタくらい

さらに、センサーなどの技術も日進月歩である。

最新のソフトウエアのパフォーマンスを発揮するためには、最新のハードウエアが必要、となるのが自然なように思える。たとえばパソコンやスマートフォンでも、最新のOSやアプリを動かすには新しいハードウエアが必要なように。

車は今後も進化し続けるだろう。車用のソフトウェアが進化していくのは当たり前の話だ。そしてハードウエアの進化も間違いなく起こる。ソフトとハードは表裏一体だ。

ソフトはこれからの車にとって確かに重要だが、それだけで満たされるものではない。SDVなどといって、何か画期的な変化が起こるように感じさせるのはミスリーディングだろう。

そしてこの分野でも決して日本メーカーは出遅れていないと思う。現在、日本、アメリカ、中国すべてで安価なベーシックカーにまでDCMを標準搭載しているメーカーはトヨタくらいではないだろうか。

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