激務の中で「自分の時間」をひねり出した方法

僕が自分の24時間を見える化したのはゴールドマン・サックス時代でした。同社は激務で有名で、僕も入社してから数年間は月曜日にシャツと靴下、下着を5セット持参して出社し、金曜日にまとめて持って帰って洗濯。月曜日から金曜日まで夜はデスクの下に敷いた寝袋にくるまって朝を迎える生活をしていました。週末や祝日も出勤するのが当たり前という時代の話です。

残業
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです

仕事以外は寝るだけの毎日のなか、どうやって自分の時間をひねり出すかが課題でした。そこで1週間、どこに削れる時間があるのかを検証してみようと24時間を見える化しました。

「ながら」としては、クライアントの訪問に行く移動中は必ず英語の勉強をする、としました。そのためにわざと現地集合として同僚と別々に行くこともありました。「反射」としては、惰性で仕事終わりに一杯飲みに行っていたのをやめて、その分早く起きて朝ジムに行くなどです。

それ以外にも、「集中してプレゼン資料をつくる際は携帯の電源を切る」というものも。これは、SNSや思わぬメールなどに邪魔されて作業効率が落ちないようにするためです。

集中したい時間はスケジュールを「ブロック」する

「細切れのミーティングの予定はなるべく特定の日に寄せて、作業だけの日と分ける」といったこともしていました。これは意外と効果があります。チームの共有カレンダーを見て、僕の予定が広く空いていると、どんどん飛び飛びに予定を入れられてしまいます。

細切れのミーティングのたびに作業を中断すると効率が非常に悪いもの。そこで、僕の共有カレンダーには、「作業ブロック」という、半日ブロックをときどき入れていました。これを見たチームメンバーは、「そこには予定を入れてはいけないんだな」と配慮してくれていました。

徹底的にマイルールをつくると、やりたいことの時間が捻出できます。毎日が行き当たりばったりでなく、予定どおりにことが運ぶようになり、精神的に楽にもなります。体重も入社して1年間で15kg程度増えてしまったものが、習慣化により2カ月で元に戻りました。

毎日忙しいけれど、自分のための時間を捻出したいという人は、今の時間の使い方を棚卸してみるところからはじめてみてください。どんなに忙しくても削れる時間が見つかります。僕も投資の勉強、語学学習、ダイエット、いずれも習慣化によって効果を実証できています。