「緊急性」と「重要性」でタスクを4つに分類する
富裕層は、自分のために使う時間のコントロールも上手です。「戦略的な時間の使い方」を正しく理解して、着実に実践しているからです。「戦略」を時間を含めた有限の資源の分配法と定義するなら、数あるToDoのなかから適切な時間配分をするための優先順位付けをしなければなりません。
緊急性と重要性のマトリックスで整理する方法はよく使われますが、富裕層の思考でToDoを分類すると、図表1のようになります。
まず、「緊急性(低)×重要性(低)」(浪費・過剰の領域)は論外。やらなくていいことです。逆に、クライアントからのクレーム対応や締め切りが迫っている仕事など「緊急性(高)×重要性(高)」(必須の領域)は、直ちにとりかかる必要があるので後回しにはしません。
一見重要に見える「錯覚の領域」を削る
「緊急性(高)×重要性(低)」(錯覚の領域)がポイントで、急な飲みの誘いや、たいして内容のない同僚からのSNSやチャットアプリの通知への対応など、一見対応に瞬発力が求められるかのように思えるため、錯覚の領域とも呼ばれます。短期的に期限があったりしますし、マインドシェアをとられがちなのですが、この優先順位を下げて時間を削ることがいちばん効果が大きいです。この時間を次の「緊急性(低)×重要性(高)」に振り向けることが非常に大切です。
そして、「緊急性(高)×重要性(高)」と同じくらい、もしくはそれ以上に優先する必要があるのは、「緊急性(低)×重要性(高)」(効果性の領域)のタスクです。
金融リテラシーを身につける勉強や語学学習、起業に向けた準備、人生を豊かにするためのコツコツした努力の積み重ね、といった中長期的なものです。仕事の枠を超え、人生のなかで重要性の高いことを見極め、計画を立てて着実に遂行していくことこそ自身の成長や自己実現のためには大事なことです。
ここをきちんとコントロールできるようになると、自分自身の成長によりパフォーマンスが向上し、結果として、「緊急性(高)×重要性(高)」の処理が速くなり、さらに時間が捻出できる、などの副次効果もあります。