「これで終わりだ」ではなく「これからだ」と思えるかどうか

そのときの受け止め方に、「これで終わりだ」という絶望型と、「これからだ」という希望型があります。

どんなに大きなショックでも、「これで終わりだ」と受け止めればほんとうに終わってしまいますが、「これからだ」と受け止めればパニックに陥ることだけは避けられます。すべての決着が着いたわけではないのですから、まだわからないと受け止めるのはしごくまともな反応で、少し冷静になればパニックは起こさずに済むはずです。

和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)
和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)

それなのになぜ、「もうダメだ」と思い込む人がいるのでしょうか?

出された結果をあまりに重く受け止めるからですね。まだなにも終わっていないのに、最終的な答えが出されたと思い込んでしまうのです。

たとえば部下の小さなミスにもカッとなって、「きみのせいでせっかくのプランが台無しじゃないか!」と怒るような上司は、ミスだけを大げさに受け止めてしまって、プランじたいはいまも進行中だということを忘れてしまいます。パニックを起こすときには、目の前の出来事が最終結果だと思い込んでしまうのです。

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