血まみれのガーゼを次から次に床に放り投げる執刀医

「吸引、100です!」

千里は麻酔科医に報告した。次は出血カウントだ。「火バサミ」でバケツからガーゼを拾いあげ、秤に載せる。10や20だったらまだ報告は早い。合計で100グラムになったら麻酔科医に知らせればいい。

千里はオペ室の床に「無窓」と呼ばれるおよそ1メートル四方のシートを広げた。外科医はガーゼを2、3枚まとめて術野に突っ込み、血でぐっしょりになると、まとめてバケツに捨てる。千里はそれを拾うと1枚ずつ広げていく。ガーゼの数もカウントする必要があるからだ。