最高位は民主党政権下の11位だった
ちなみに、2024年の1位はノルウェーで、2位はデンマーク、3位はスウェーデンと北欧の国がトップ3で、日本より上の69位はアフリカのコンゴ、68位は東カリブ諸国機構、67位はハンガリーでした。アメリカは55位、イタリアは46位、イギリスは23位、フランスは21位、ドイツは10 位でした。
民主党政権時代には、日本の順位は一時的に上昇し、鳩山由紀夫内閣の2010年には11位という比較的高位にランクされました。菅直人内閣の2011年も22位で、民主党政権下の日本では、報道の自由はおおむね機能していると評価されていたようです。
しかし、第二次安倍政権がスタートした直後の2013年には、53位と大きく順位が下落して、2014年は59位、2015年は61位、2016年と2017年には72位と、低迷を続けます。
首相が菅義偉と岸田文雄に代わっても、順位は60位代後半と70位代前半を行き来し、2013年から2024年までの自民党政権12年間の平均順位は、66位でした。「報道の自由度」という面で、民主党政権時代から大きく後退した状況です。
政府や企業、記者クラブの圧力による自己検閲
同記者団の公式サイトを見ると、各国の状況や問題点についての指摘がなされていますが、そこに書かれている日本の報道分野での問題は、次のようなものでした。
「日本は議会制民主主義の国であり、一般的にはメディアの自由と多元主義が尊重されます。しかし旧来の利害関係やビジネス上の利害関係、政治的圧力、男女の不平等により、ジャーナリストが監視者としての役割を完全に果たせないことがよくあります」
「2012年に右派の国粋主義(安倍政権)が台頭して以来、ジャーナリストたちは彼らに向けられる敵意を帯びた不信感について不満を述べてきました。記者クラブ制度は、既存の報道機関のみに記者会見や政府高官へのアクセスを許可し、記者に自己検閲(セルフ・センサーシップ)を促すもので、フリーランスや外国人記者に対するあからさまな差別となっています」
「日本では、政府や企業が日常的に主流メディアの経営に圧力をかけており、その結果、汚職、セクシャル・ハラスメント(セクハラ)、健康問題、環境汚染など、デリケートと見なされる可能性のあるテーマについては、厳しい自己検閲が行われています」