親だからすべてを犠牲にする必要はない
【家入】前編で話したように、今の奥さんは「自分がやらなきゃ!」という意思が強い人だったから、0歳、1歳、2歳と「全部自分が育てる!」みたいな意気込みで離乳食も全部手作りしてやってたんだけど、それぐらいの子どもってご飯をひっくり返したりあちこち投げたりして遊ぶじゃない?
【ヨッピー】わかります。何度「もーーーーー!」って言いながらご飯を拾い集めたか……。
【家入】お風呂だって、「絶対耳に水が入らないように……」ってそーっとそーっとお風呂に入れるの。そんである日家に帰ってきたら奥さんも子どもも号泣してて「どうしたの?」って聞いたら「ご飯食べてくれない‼」って。それで病んじゃって奥さんのSNSの投稿も暗いものが増えるから友達から「家入さん、奥さん大丈夫?」とか聞かれたりして。
でも2人目、3人目ってなったらそういう前のめりな姿勢が良い意味でなくなって、子どももお風呂に入れてドボンと落ちたって「あらあら」くらいで気にしないもんね(笑)。
【ヨッピー】そう! まさに僕が言いたいのはそういう部分なんですよ……!
僕も奥さんがけっこう真面目な人でそうなりそうな予感がしたから、最初から宣言したんですよね。「我が家は効率重視の育児をやります!」って。親だからって全部犠牲にする必要はないし、息抜きだって当然必要だし、逆に息抜きがあるからこそ子どもと仲良く、楽しく暮らせるんでしょ、っていう。
怒って落ち込む妻に5歳の娘が手渡した手紙
【家入】お受験するしないで悩んだ僕の長女は面白い子で、とにかく本を読むのね。2、3歳くらいの時にはカタカナひらがなをもう読めるようになってて、絵本とかを勝手に読むようになったんだよ。
【ヨッピー】えー、それはすごい。
【家入】4、5歳になると今度は漢字も読めるようになるわけよ。そうすると僕らが買うような大人向けの育児本なんかも、たぶん雰囲気なんだろうけど前後の文脈でなんとなく書いてることを理解しはじめるわけ。
で、ある時妻が子どもにめっちゃ感情的に怒っちゃって、そのあと自己嫌悪して落ち込んで「ごめん、今日はママもう寝るね」って寝てたら枕元に「ママ、あんまり怒りすぎると自分のことが嫌いになっちゃうから、そういう時はこの本を読んでね」って長女が書いた手紙があって、一緒にアドラーの子育ての本が置いてあったらしい(笑)。
【ヨッピー】天才じゃないですか。まじですごい。家入さんも本めちゃ読む人だし、遺伝なのかな~。