「人と会うことで生まれていたアイデア」があったと実感
【ヨッピー】あとはやっぱり仕事かなぁ。打ち合わせはZoomも増えたとはいえ取材とか撮影ってなるとやっぱり東京のほうが便利だし。家入さんは会社の代表やりながら長野にいて不便はないですか?
【家入】うーん、東京に居た頃から、自分自身がボトルネックになるようなことはどんどん権限移譲したんだよね。「家入さんのジャッジ待ち」みたいなことが起こらないように。だから実務上はそんなに影響はないんだけど、東京で人と会うことによって得た刺激から生まれるアイデアとか新規事業とかそういうのは減ったかもしれない。
【ヨッピー】そうですよね。そこに対する恐怖心みたいなものはあるかな……。子育て面だとどうですか?
【家入】これも似たような話なんだけど、ヨッピーも『育児ハック』で書いてるみたいに、「子どもをいろんな人に会わせる」っていうのを僕も昔から意識してたんだよね。自分が仕事で家にいないことも多いからこそ、例えば会社のイベントや僕が登壇するような場、打ち合わせなどの仕事の現場にも子どもを連れていって、いろんな大人に会わせてたんだよね。
子どものうちにいろんな大人を知るってとても大事だと思っていて、例えばすごい人なんだけど、昼間から酔っぱらってるダメなおじさんだったり、そういう多様性に触れさせる、みたいなのも東京ならではかも。
背伸びして東京に住み続けるのはよくない
【ヨッピー】確かに……。今の保育園、同じクラスに外国人の子がチラホラいるんですよね。あれも東京ならではかもしれない。そういう環境は東京のほうが圧倒的ですね。
【家入】ただ、長野に来てからは子どもが「○○の花が咲いてるね」とか「今日の夕焼けすごくきれい!」みたいな、そういう自然のうつろいに対する解像度があがってたりして、それは素敵なことだなとも思うからどちらがいい、と決められるようなものではないね。
【ヨッピー】難しいですよね。「東京か、田舎か」っていうのも極端な話で、その間にはグラデーションみたいに選択肢がいろいろあるし。僕、個人的には大阪出身だし大阪にいつか帰りたいな、みたいな想いもあるんですけど……。
【家入】結局、無理して背伸びするのはよくないんだよね。親も子どもも。親がどうしてもしんどいのに、無理して東京に残り続けるのはやっぱり子どもにとってよくないと思う。
親に余裕がないと、特に小さいうちは子どもへの影響があるからね。