成績が伸びる叱り方、落ち込むだけの叱り方
一方で、模試の結果が良かった時など、「よかったね」などと親は子どもをほめます。ポイントは、具体的な目標に向かっている子どもの価値を認める視点からほめていくこと。つまり、プロセスをほめるわけです。「よく頑張ったよね。ひとつずつクリアしているね。これからも自信を持って取り組んでいこう」と、存在価値とプロセスをほめる言葉がいいですね。
叱る際もプロセスが大事です。「できてないんだから頑張れ」ではなく、まずは「頑張ったね」と労い、続けて「1つずつ解けているから自信をもって問題に取り組もう」と良かった点を踏まえて、その先のチャレンジを促します。
また、言いがちなNGワードとして、「こんな簡単な問題でミスするなんて信じられない。何回言ったらわかるんだよ」と叱咤するケースがありますが、これでは子どもが落ち込むだけです。「ミスは誰にでもあるよ。間違えたからこそ学ぶチャンスだから次回は気をつけよう」と現状を把握しつつ、次に活かそうとするメッセージを添えることをお勧めします。
「今日くらいはゲームしていいよ」はNG
とはいえ、ときには子どもも「集中できない」「気が散る」瞬間はあります。人間は完璧ではないので、親もそれはわかっています。だから、つい「今日くらいはいいか」と思って、1日中、子どもがゲームに逃げたりしても放置してしまいがちです。
しかし、これは親の気配りとはいえません。「できない」状況を受容した上で、「今は頑張ることをしっかりやる時期だよね」と伝えるべきです。今しかない時間を無駄にしてはいけないと理解させるのは、親の役目です。
「自分はこうだった」と言うより、子どもの胸の内を理解しつつ、親業として一緒に乗り越えていく気持ちが大切です。子どもが塾から帰ってからも自宅で勉強しているのに、親がいつもノンキにビール片手にスマホでショッピングやゲームに夢中になっていたら、子どものやる気だって下がりますよね?
だから、例えば、やる気がない子どもに対して「もっと勉強に集中しなよ、真剣に取り組めよ」と言いたくなるかもしれませんが、「今は自分に集中する時間にしよう。お父さん(お母さん)も今仕事の勉強でこんなことに取り組んでいるんだ」と、親自身が課題に向き合っている姿勢を示せるとベストだと思います。