生成AIの登場で2020年代後半はカオスになる
【澤円】そのようにして、短期的な周期で「暴力性」と「しらけ」を繰り返しているとすると、2020年代後半は、また「しらけ」の方向へ進んでいくという見立てですか?
【片石貴展】個人的にはそのようなイメージを持っています。実際、2020年代前半に盛り上がった“神話”は崩壊しつつあるようにも見えます。むしろ多くの人は、「結局プロに勝つには努力するしかない」「他人の足を引っ張らずに真面目に働くしかない」という、ある種の「しらけ」の気持ちを持ちはじめているのではないでしょうか。
2024年現在は、ちょうど「では、いったいなにをしたらいいのだろう?」と戸惑っている移行期であるように感じます。ただ、今後はエンタメに「知性」を掛け合わせたような、エンタメ性が強い知的なコンテンツが伸びていくイメージを持っていますね。
【澤円】知性的な方向へ時代が振れていくという推測ですね。「暴力性」と「しらけ」の短期的な周期のなかで、起業家や経営者の思惑が重なっていく。さらに、生成AIのインパクトが融合するとなると、刺激的な時代になるかもしれません。
【片石貴展】そうですね。2020年代後半はカオスな時代になるような気がしています。
(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=辻本圭介)