結局、僕は人と話をしたい気持ちが強いんです。その目的があるから「人がしないこと」を進んでするし、逆に「人が薦めてくれたこと」も喜んでする。自分が興味を持っている人や好きな人が特定の作品を褒めていたら、僕はその映画を見に行って、その音楽を聴いてみる。もしロードショー中の『SUPER8』と『パイレーツ・オブ・カリビアン』のどちらを見るか迷っていたとして、今夜飲みに行く人がSFファンであれば、『SUPER8』を見に行く。そうすればその人との話のネタが増えるし、感想を語り合うことで距離も縮まるはずですから。

そして、誰かと話したいというモチベーションを保ちながら、さまざまな情報に触れていくと、結果的に仕事に必要なデータも自然と蓄積されていきます。

僕は放送作家という仕事に対して、検索エンジンに近いイメージを持っています。まず企画に関係するキーワードを書き出し、そこから連想する言葉をどんどん思い浮かべる。その中から展開できそうなものを選んで、発想を広げていくのです。でも頭の中にデータがいっぱい入っていないかぎり、検索はできません。

「頭の検索エンジン」がヒット企画を生む

この業界に入ったとき、「たくさん映画を見ろ」と言われたので、面白いもの、つまらないもの、いろいろ含めて年間で360本以上見る生活を続けました。その結果、3年ほどたったあたりから、企画を思いつくようになったのです。きっと頭の中に入っているデータの量が増えて、検索エンジンが機能するようになったのでしょう。

しかし検索機能といっても、別に整理したりする必要はありません。1回文章にすると忘れにくくなるので、僕は見た感想をブログに書いていますが、整理や分析に費やす時間はムダなような気がする。見たものをまとめている時間があったら、もう1本別の作品を見たいなあと僕は思ってしまうんです。とにかく貪欲に吸収していたい。