5.空室リスク
前述の通り、昨今の不動産投資は、売却の際に得られるキャピタルゲインではなく、その収益の柱はインカムゲイン。すなわち不動産を貸すことによって毎月得られる賃料にその目的はあります。つまり、せっかくの不動産物件も借り手がいないことには収益を得ることができません。収益がないということはゼロ、という意味ではなく、ローンで不動産を購入すればローン返済、さらには固定資産税などの税金、マンションの区分所有なら管理費や修繕積立金など、出ていくお金がありますからむしろマイナスです。
しかも、日本の人口は2005年から減少傾向。さらに少子高齢化が進むことを考えれば、部屋の供給量に対し住む人間が少なくなる、いわば供給過多の時代になるといわれています。
6.家賃滞納リスク
テナントの経済的な事情や怠慢などによって賃料が予定どおり支払われなくなること。不動産投資の収益の柱である毎月の家賃が入ってこない、それでもローン返済や税金、管理費が発生するという点では空室リスクと同じですが、テナントや連帯保証人への督促、賃料の不払いを理由に退去させる業務などの労力(不動産業者や弁護士などに依頼した場合には費用も)が発生するので、こちらのほうがやっかい。芸能人同士が起こした、家賃をめぐる裁判も記憶に新しいのでは。
7.金利上昇リスク
現在の日本は低金利時代。その低金利をベースにして投資家も業界全体も不動産投資行動を決定しています。しかし、6%以上の金利が当たり前という時代も過去にはありました。好景気による大幅な金利上昇は、当面は心配される状況ではないでしょうが(残念ながら)、昨今のギリシャ問題のように、財政破綻からもたらされる金利上昇リスクは耳にするところ。
ざっと考えただけでも以上のようなリスクがあります。しかし、先に述べたように不動産投資は不動産「経営」(=マネージメント)。こうしたリスクもマネージメントできるのがよい点だと私たちは考えます。繰り返しになりますが、ここがよその国の政策や企業の業績不調など、自分のあずかり知らぬところで起きた要因で暴落するFXや株との大きな違いです。