※本稿は、越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
有給休暇を取らない人ほど、「休んでもやることがない」と考えている
私は現在、日本企業815社で「働き方改革」や「休み方改革」の支援をしていますが、日本のビジネスパーソンの顕著な特徴として、有給休暇の取得率が低い人ほど、「休んでも、やることがない」と考えている傾向が見られます。
この傾向は、管理職になるほど高くなっており、「無理して休みを取っても、コレといってやることがない。家にいても邪魔にされるだけ」という理由から、休みを取らない人が多数を占めているのです。
欧米のビジネスパーソンであれば、1週間の休みが取れたら、「家族とキャンプに行って、メジャーリーグ観戦やバイクでツーリングもできるな」と即座にスケジュールが決まります。
日本人の場合は「何をすればいいのか……」と悩んでいるうちに、2~3日の休みを消化してしまう人も珍しくないようです。
こうした人に共通するのは「趣味がない」ということです。
私にも身に覚えがありますが、日本のビジネスパーソンには、「仕事以外に趣味と呼べるようなものがない」という人が少なくありません。
仕事に追われるような毎日を送っているため、時間的にも、気持ち的にも、趣味に当てられるような余裕を見出せない人が多いのだと思います。
マイクロソフトのエグゼクティブの休み方を目の当たりにして、私が「これはやばいな」と痛感したのが、自分が無趣味であったことです。
趣味と呼べるものがないと、休日をどう使えばいいのかわからず、土日はダラダラと寝て過ごすことになります。
それで疲れが取れればいいのですが、身体も心もスッキリとすることはなく、頭の切り替えができないため、脳の働きが活発になることもありません。
当時の私は「趣味を楽しむのは、定年退職してからで十分」くらいに考えていましたが、周囲のエグゼクティブが楽しそうに休日を過ごしているのを目の当たりにして、趣味の重要性を改めて認識するようになったのです。