不動産の利益は消費に回さない

2010年の岩崎家の年収は約4000万円。それだけの年収、どう使う!?

毎月の決算記録をずっとファイルしている。

「いえいえ、不動産の経費がかかりますから――。不動産から得た利益を毎月100万円ほど積み立てています。自動積み立てに毎月30万円、残りの70万円前後でグローバル・リート(不動産投信)を買っています。今、分配金が高くて有利なんですよ」

不動産から得たお金は消費に回さない。すべて投資信託などペーパー資産を購入し、そこからの利益だけを使うのが美歩さんの方針だという。

これだけの資産があり、毎月の不動産収入があれば、家計管理も大変なはず。

「月の初めに前月のキャッシュフローと資産残高をまとめた表やグラフを作るのが私の仕事です。それを見ながら、夫婦で検討会をするんですよ。これは使いすぎだったよね、とか、運用はもっとこうしよう、とか。コスト削減委員会みたいな感じですね(笑)」

それらの図表はファイルにまとめられている。その中から、2003年以降の生活費をまとめた表を見せてもらった。これは、美歩さんが使った毎月の生活費を「食費」「衣服費」「本代」「交通費」「その他」の5項目に分けて集計したものだ。

「使ったお金はこの5つの項目に分けて、毎日メモしています。予算は1カ月15万円。1日5000円が目安ですね。もちろん、オーバーしてしまう月もあるんですけど……」

この予算は不動産収入が増えてもずっと変えていない。

「勤めている間はスーツを買ったりして衣服費がかかりました。会社を辞めてからは、代わりにスポーツクラブや料理教室の費用が増えたかな。でも、トータルで使う金額って、そう変わらないんです」

早く子どもがほしい、という美歩さん。子どもができたらもう1つ家を買ってもいいな、と微笑んだ。