ハイリスク、ハイリターンはセレブにつきもの……もしものとき、どう行動するか? それがセレブ妻になれる人、なれない人のわかれ道である。
リーマンショック以来、どんなに実力のある男性でも、どんなにお金持ちでも、いつ何があるかわからないと誰もが感じる時代になってしまった。夫婦共働きというのがリスクに対処する一番の方法だが、セレブ夫婦の場合、妻は無職の専業主婦か、夫ほどは稼いでいない人がほとんど。夫が没落したら生活レベルの低下は避けられない。
そのとき、妻たちはどうするのか?
「金の切れ目が縁の切れ目」とばかり、離婚をつきつける妻、必死に生活を支えたが力つきる妻、「なんとかなるでしょう」と夫の失業にも鷹揚にかまえる妻、夫の会社の不振を自分の起業で補う妻……。
リスクへの対処にはそれまでの夫婦関係が現れる。お金持ちに嫁いだのではなく、結婚生活を続けるうちに夫がお金持ちになった妻は、「生活を拡大しない」ことでリスクを回避している。「にわかセレブ」になった妻は「見栄」を張るために大金を使い続けて、没落に対処することが遅れてしまった。
結婚式直後に夫の会社が倒産、離婚したマユさんの場合、彼女は夫を支えるセレブ妻として、ギリギリまでがんばっていたが、肝心の夫が問題だった。倒産やリストラなどのリスクを恐れてはセレブ妻などをめざす資格はないが、見るべきは「成功するかしないか」ではなく、「信頼できるかどうか」。「夫がウソをついていた。信頼できなくなった」という場合、セレブ妻の資質を持つ女性でも対処ができない。マユさんは現在仕事に復帰し、できるキャリアウーマンとして恋活中。前の結婚で学んだことはと聞いたら「起業家は選ばないこと」と言った。
夫が没落しても、真のセレブ妻たちは慌てない。彼女たちが好きなのは「お金のある夫」ではなく「夫自身」だから。そして今の生活ではなく、10年後を見ている。夫を責めず、10年後の2人のために一緒に頑張るのだ。「何があっても彼となら大丈夫」……絶対的な夫への信頼と楽天主義、それが没落しても大丈夫なセレブ妻の条件だ。
※プレジデント社の新刊『セレブ妻になれる人、なれない人』より抜粋。