市場は探して見つかるものではない
販売台数が伸びない期間がしばらく続いたあと井深と盛田が採った方策は、エンジニアのほぼ全員を動員し、彼らに営業活動をさせることだった。ソニーがこうした過程を経て学んだのは、ノーベル経済学賞受賞者のロナルド・コースの言葉どおり、「市場は探して見つかるものではない、創造しなければならない」という教訓だった。
新しい市場を創造するために、ソニーは、独自の流通、販売経路を構築する必要があった。そこで1951年、子会社「東京録音会社」を設立し、これがローカルの職(販売、流通、教育、サービス、サポート等)を創出するきっかけとなった。
あるとき井深は、東京録音会社の幹部に全国を行脚して学校で実演をするように命じた。実演の効果は絶大で、あまりにも多くの学校から注文が入ったために、生産が追いつかないほどになった。さらに、顧客が製品を快適に使いこなせるように、エンジニアの一部に販売後の顧客サポートを担当させたところ、売上はさらに伸びた。
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