喫煙習慣がある人ほど、アブラナ科野菜を食べたほうが良い
アブラナ科の野菜には、ブロッコリーやキャベツ、からし菜などがあります。これらの野菜には辛味成分であるイソチオシアネートという物質が多く含まれており、このイソチオシアネートは発がん物質の排出を高める作用が報告されています。
アブラナ科の野菜を多く摂取している人ほど、動脈硬化や血管疾患が少ないという報告もあります。女性も喫煙習慣がある男性も、アブラナ科の野菜を意識して食べることには健康上のメリットが大きいといえるでしょう。
ただし、野菜や果物を食べれば、がんの発症リスクが確実に下がるというわけではありません。運動や禁煙など、がんの発症リスクを下げることがすでに分かっている予防法はいくつか存在しますが、野菜・果物の摂取量とがんの関係については、今後のさらなる研究が待たれます。
とはいえ、少なくとも現時点の研究結果から、胃がん、食道がん、肺がんの予防に効果が期待できそうだということは間違いありません。
腎臓機能が低下している人は野菜の食べ過ぎに注意
これまでお伝えしてきた通り、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な野菜や果物は、健康の維持、増進に欠かせません。人生100年時代といわれる長寿化社会を自分らしく生きるためにも、野菜は1日350g、果物は1日200g程度食べるよう心がけたいものです。
ただし、次に該当する人は調理法を工夫して摂取するようにしてください。
腎臓の機能が低下している人
野菜や果物にはカリウムが多く含まれます。慢性腎臓病の人や腎機能が低下している人がカリウムをとりすぎると、高カリウム血症になるおそれがあります。
高カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が非常に高くなってしまう状態のことです。症状が重い場合は吐き気や脱力感、しびれ、不整脈などの症状が出ることもあります。
カリウムは水に溶けやすい性質があります。野菜はゆでる、水にさらす、水気をしっかり絞ることで、カリウム含有量を調理前の3分の1から3分の2に減らすことができます。
カリウムの摂取を控えたい人は、食べる前にひと工夫しましょう。
汁物や煮物などに使う場合は、別に野菜をゆでてから、汁物・煮物に加えます。炒める、レンチンという調理法ではカリウムは減りにくいので、鍋で下ゆでするか、レンチンしたあとに水にさらすとよいでしょう。果物は生食だとカリウムが多いので、野菜のように水にさらすか、缶詰などの加工品を上手に利用してください。
慢性腎臓病の人や腎機能の低下を指摘されている人は、野菜や果物の適正量について担当医に相談しましょう。