それでも不安感が拭えない人には「What is your mission in your life?」という言葉を贈りたい。キャリアうんぬんではなく、自らの使命に従って生きよ、ということである。私の使命は「日本の若者の雇用を改善し、おもしろい若者を増やす」ことだと思っている。私はコンサルティング会社の1社員でありながら大学の非常勤講師も週3コマやっているが、その報酬はすべて会社に入れている。忙しい間を縫い、事実上無報酬でよく講師などやるなあと思われるかもしれないが、その発想が間違っている。懐に入るお金がゼロでもいい、教育の現場に身を置くことが使命を達成するための貴重な勉強になっているから続けているのだ。

実は雇用問題を本格的に勉強したいと思い、ある大学の昼間の大学院を受験するつもりだ。合格すれば来年からは4足のわらじを履くことになるが、十分できると思っている。

「日本の大学はいったん卒業すると戻りにくい」といわれている。これを自分という実例を使って打破したい。それも使命感のなせる業だ。キャリアではなく使命感で生きると人生はもっと楽になると思う。

※すべて雑誌掲載当時

人材コンサルタント 常見陽平
1974年、宮城県生まれ。一橋大学商学部卒。リクルート、玩具メーカー等を経て、2009年株式会社クオリティ・オブ・ライフに参加。実践女子大学等で非常勤講師を務める。『キャリアアップのバカヤロー』など就活、キャリアに関する著書多数。
(荻野進介=構成 尾関裕二=撮影)
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