もう1つは「自分のサブ得意分野をつくりなさい」。リクルートを辞めたあと入った玩具メーカーでは人事の採用担当だったが、そのときに頼りになったのがロックとプロレスというまったくの趣味の世界だった。
会社説明会を企画する際、他社のやり方はもちろん探ったが、それを真似ても二番煎じになるだけだ。そこで考えたのが就活生といっても1人の若者だということ。若者が集まり楽しんでいる場所は何だろうと考えると、たとえばライブである。20代の頃、週に2回はライブハウスに足を運んでいたので、一流ミュージシャンがいかに観客を乗せるかをよく知っている。プロレスもしかりである。
それらを参考に、説明会から内定までのプロセスを設計したことで、学生に好評で優秀な若者をたくさん採用することができた。
サブ得意分野は仕事と無関係のほうがいい。自分がめちゃくちゃ詳しい分野と仕事をかけ合わせることで思わぬ成果が生まれるのだ。
キャリアの不安感を消す
年間数億円も売っている敏腕営業マンでも、自分の将来について本気で悩むという。転職経験のない人ほどそれが顕著で、成績がいいのも商品自体の魅力や会社の看板のおかげで自身の能力はたいして高くないのでは、と疑心暗鬼になるらしい。
漠然とした不安をなくすには、努力と根性で勝ち取る仕事の自信作をひたすら増やすしかない。そのための勉強法としても、前に述べた「仕事に詳しくなる」「サブ得意分野をつくる」の2つが有効だ。さらに本気でグローバル対応をするなら、語学に加えて日本の歴史と文化を学ぶこと。これを実践すれば鬼に金棒である。