年齢や職場でのポジションが変われば、学び方も変わる。自身でキャリアを切り拓いてきた3人に、行動につながる学習の秘訣を聞く。

仕事で使える英語を学ぶ

曽山哲人私は上智大学文学部の英文科出身である。「英語はペラペラでしょう」とよくいわれるが、留学経験もないので話せるというレベルからはほど遠く、肩身が狭い思いをしてきた。そのコンプレックスを解消するため、本格的に勉強しようと思い立ったのは2007年のこと。当時の役職は人事本部長。わが社のグローバル展開も視野に入っており、英語に自信をつけておくことは意味があると考えた。

サイバーエージェント 取締役人事本部長 曽山哲人氏

それまでも英会話スクールの門を何校も叩いていたが、いずれも挫折していた。原因は目標の曖昧さにあった。それを反省し、「TOEIC850点」という具体的な目標を立てた(大学時代のスコアは690点)。勉強の手段はやはり英会話スクールだったが、今度は「3カ月でTOEICのスコアを200点上げる」というコースがあるところを選んだ。これが正解だった。

ポイントが2つあった。1つは毎日英語に触れざるをえない大量の宿題が出されたことである。スクールに通うのは毎週土曜の2時間半のみだが、翌週にテストがあり、毎日10分でも聞いたり書いたりというトレーニングをしないと点数が取れない。

もう1つは、成果に直結する勉強法を学べたこと。たとえば、単語カードをつくるのはビジネスマンが最もやってはいけないことだという。制限時間を決めて3回単語帳に目を通し、それでも覚えられない単語だけを書き出せといったアドバイスが役立った。仕事も忙しかったので大変だったが、週に何回か英語の日と決めて帰り道のカフェで宿題を終わらせるといった工夫で乗り切った。その結果、825点にまで伸ばすことができた。

思うに、なかなか英語力が上がらない人は、学習と学習の間の時間を空けすぎなのだ。目標を明確にして短期集中で、毎日英語に接すること。これに尽きる。