年齢や職場でのポジションが変われば、学び方も変わる。自身でキャリアを切り拓いてきた3人に、行動につながる学習の秘訣を聞く。

未経験の仕事で成果を残す

【辻野晃一郎】私はソニーに計22年間在籍していたので、社会人人生の大半を過ごしたことになるが、収益が安定した事業を守るといった立場にいたことがない。不採算事業の立て直しや、新規事業の立ち上げなどにいつも駆り出され、常時戦場という意識だった。

アレックス社長 
辻野晃一郎氏

一番面食らったのはVAIOのデスクトップパソコンの事業責任者になったときだ。それまで、私はずっと開発畑を歩み、事業部経験はおろか、ビジネスに携わったこともなかった。おまけに部品の標準化が進んでいたデスクトップパソコンは商品としての発展性がなく、「世界で最もつまらなくて儲からない」といわれていた。

しかし当時はインターネットが普及し始めた時期で、パソコンが世の中を大きく変えていくのは確実だと思った。インターネットの入り口であるパソコン事業をソニーが手がけるのは必然であり、「やれ」といわれたのも何かの運命かもしれないと思い、引き受けることにした。