「絶対出世しない」タイプは?

【近藤】キャリアに傷をつけたくなくて巧妙に責任逃れをする人。出世競争に興味のない女性にとっては、そういうのが見えてしょうがない。陰で言ってますよ。「あの人は卑怯だ」「タヌキだ」ってね。

【坂田】失敗したときに矢面に立ってくれて、「今回は負けちゃったけど、おまえはがんばったな」と努力を認めてくれる人は部下の支持を得て伸びていきます。史上最悪だったのは、「ごめんね。やっぱり女性に頼んじゃいけなかったな」と言った人。そういう失言があると、女性はワァーッと話しますので、社員食堂で、トイレで、給湯室で、その日のうちに広がる。彼の評判は一気に下がりました。女性に嫌われると将来の希望は絶たれます。

【八巻】上司が部下の悪口を言うのは絶対にNG。部下を悪く言うと自分にはね返ってくることがなぜわからないのか。

【近藤】管理職なのに陰口を言う人は出世しないね。以前、私とポジションを争った男性がいました。職歴も学歴もその男性が上なのに、なぜか私が選ばれた。経営層が後で「彼はあまりにも噂好きすぎる」と理由を言っていました。

【坂田】守秘義務すら守れないハイリスクな人だと思われたんでしょうね。私は一度、ある上司の噂話を他社の人から聞いたことがあります。本人と一部の人しか絶対に知らない内容だったので、誰が話したのかがすぐわかりました。

【近藤】口が軽すぎると信頼がガタ落ちになるね。

【八巻】細かい話ですが、お金にセコイ人は大きくは出世しないと思います。公私混同して領収書をもらいまくったり、部下と食事したのに1円単位まで割り勘にしようとしたり。仕事ぶりも見えてしまいます。

【坂田】自分はどのような職業人になりたいのかを考えず、「かしずかれたい、給料を上げたい」というだけのモチベーションで出世したがる男性がいまだに多いのに驚きます。今の時代、出世=高給ではないと思うのです。業績が下がると上のほうからボーナスがカットされていく。出世には責任とリスクが伴います。

【近藤】外資はボーナスカットどころじゃない。トップが代わると管理職は総とっかえになることも。私はそれでも決定権があるほうが仕事が面白いから努力して出世してきた。

八巻】「出世して何をしたいのか」というミッションがない男性は多い。それでも頭脳とスキルがあって上にゴマをすれればある程度は出世できるんだよね。

【近藤】でも部長止まりでしょう。役員にはなれないね。

【坂田】どのコースで出世したいのかを考えるべきだと思います。現場のプレーヤーとして頂点を極める道もあります。社長になりたいのなら独立したほうが早道かもしれない。それを考えず、同期が先に課長になったぐらいで悔し涙を流している人には呆れます。

【近藤】「なんであいつが」なんて言う人は、仕事や会社の本質が見えていない証拠。だからあんたは出世できないんだよ、と言ってやりたいね。

近藤幸子さん(50歳・仮名)外資系企業や公務員としてマネジャーを経験。
八巻里美さん(45歳・仮名)弁護士事務所に勤務後、大手メーカーにてマネジャーに就任。
坂田 彩さん(40歳・仮名)同族経営の老舗メーカーに勤務するマネジャー。
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