欧州なんかでは、早い国では16歳から飲酒喫煙が許可されて(そもそも許可されなくても社会がだいぶおおらかなので)、子どもたちはまず高校生時点で恋愛やらパーティーやら現実世界でバカをたくさんやって先生にもたっぷり怒られて(勉強は物好きしかしない)、ある程度ヤケドのヒリヒリした痛みも治し方も知ってから、免疫をつけて勉強をしに大学へ行く。大人たちが子どものために「大人になるための修行期間」を用意している、そんな印象がある。
日本はノンアル・ノンスモーキング(かつコロナ禍ではリアルな接触も回避)という清潔な環境でまずはじめに責任を持たされ、失敗しないから免疫もないまま整った「いい子」になる。ヤケドも打ち身も骨折も負わず無傷でいい子に育った報酬として、修行も免疫もなしに20歳からようやく大人の世界をちょっと覗かせてもらえる、という仕組み。早くいい子にならないと大人に褒めてもらえないプレッシャーが強くて、日本の子どもはちょっと気の毒な状況なのである。
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