MLBとNPBの大きな違い

まだ今年はレギュラーシーズンとポストシーズンが重ならなかったからいいが、2018年などは、CSファーストステージが10月12日から始まったのに、この時点でペナントレースは全日程を終了することができず、10月13日にロッテ対楽天、阪神対中日と2試合を行っていたのだ。

この4チームはCSに出場していなかったからいいものの、CSに出場が決まったチームがペナントレースを未消化の場合はいったいどうするのだろうと思ってしまう。

またポストシーズンが始まっているのに、同じ時間帯にシーズンの消化試合を行っているのは、興ざめもいいところだと思う。

一方、MLBはどうだろうか。同じ半年、約180日間で162試合を消化する。10日で9試合とNPBよりも過酷な日程だが、NPBのようにいつまでもだらだらと消化試合が行われることはない。

MLBでは同一カードで1試合が雨天などで中止になると、翌日はダブルヘッダーになることが多い。移動日を潰して試合を消化することも多い。もちろん、未消化の試合を後日程で振替にすることもないではないが、それほど多くない。

臨機応変に試合を組むことができるのは、MLBの30球団の本拠地が、すべて球団専用の球場であり、他の予定が入ることはないからだ。NPBでは本拠地球場であっても他の催しが予定されていることもあり、急に日程を組み替えることができないという事情もある。

メジャーリーグの観戦で盛り上がる人たち
写真=iStock.com/andipantz
※写真はイメージです

記録よりもポストシーズンを優先

もちろん、アメリカの降雨量が総じて日本より少ないこともあるが、MLBではほぼすべてのチームが横並びで試合日程を消化する。

今年で言えば、9月30日(現地時間)でMLBのペナントレースはすべて終了した。ここまでで消化できなかった試合は打ち切りになる。

今季は、クリーブランド・ガーディアンズとヒューストン・アストロズの対戦が1試合消化できず、打ち切りとなった。両チームのレギュラーシーズンの試合数は他のチームより1試合少ない161試合となった。

ガーディアンズのホセ・ラミレスは大谷翔平に次ぐ史上7人目の40-40(40本塁打40盗塁)がかかっていたが、試合がなくなったので39本塁打41盗塁に終わった。しかしこれに異論を唱える声はあまり起こらなかった。

MLBでは、ポストシーズンは、レギュラーシーズン以上に重要であり、何が何でもレギュラーシーズンを終了させることが至上命題になっているのだ。

MLBのポストシーズンはレギュラーシーズンが終了した翌日の10月1日に開幕する。最初はワイルドカード(各地区2位のチーム)のチームが対戦する「ワイルドカードシリーズ」だったが、驚くべきことに前日の9月30日のシーズン最終日にダブルヘッダーで戦ったアトランタ・ブレーブスとニューヨーク・メッツがともに翌日、出場していた。