竹中平蔵が愕然としたテレビ局幹部の勉強不足

さて、小倉健一氏の指摘に、以前経済学者の竹中平蔵氏に取材したときのことを思い出した。竹中氏は小泉純一郎政権下の2005年~2006年に総務大臣を務めていた。竹中氏はテレビ局社長の「放送と通信の融合」に対する理解度の低さに愕然としたという。竹中氏はこう語る。「これからは放送と通信の融合の時代だと考え、キー局の社長全員と1対1で会いました。しかし、会ってみてわかったのは、放送と通信の融合についてちゃんと理解できている人は、ある一人の社長を除いて誰もいませんでした。後から考えると、それもそうだなと思います。キー局の社長とは新聞社出身の方が務めるものだったのですね。当然放送に対する理解度も十分ではないのです」

「そもそも放送の強みとは1対多数に対して情報を送ることです。かつては、それができるのは電波しかなかったのです。一方で通信は1対1で情報交換するものでしたが、インターネット技術の発展により1対多数というのができるようになりました。